2022年2月27日日曜日

 主の力が働いて

 「あなたに命じる。起きよ、床を取り上げて家に帰れ。」         ルカによる福音書5章24節

 ルカ517-26節に、イエスさまが中風の人を癒された記事があります。また、福音書の平行記事として、マタイ9:1-8,マルコ2:1-12があります。この記事は、直接的には中風の者の癒しについてですが、それを批判的に見ていたパリサイ人に対して、「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である」事を知らしめようとしておられ、この出来事を通して癒しの必要や医者の必要を的確に判断する憐みの心の働きを、イエスさまは、もちろん神さまの独り子としてのお力を示されたのではありますが、それと同じ程に、困難の中にいる人を見たら憐れむ思いを覚えて欲しくて、お教えなさったのではないでしょうか。主の話される内容は、直接的には、困っておられる人に向かって示されてはおりますが、たまたまその現場に居合わせたその当事者ではない人にも理解することができるような教えも併せて話して下さっているように思われます。確かに話の中心は、病の癒しについてですが、それ以上に主の観察点は、中風の者の癒しのために、屋根をはがす暴挙に出てまで、イエスさまの癒しを求めていた友情の行動に目が向けられているようです。癒しそのものよりさらに大きなウエイトとしてイエスさまの関心と興をとらえられたのではないでしょうか。イエスさまの優しいお心が、その目の付け所が示されている出来事ではないでしょうか。私達も日常的な些細なことにも目を留め、押し付けではなく、心からの親切として、周りの人々に目配りしていきたいものです。

2022227日 週報より