福音は新しい皮袋に
聖書箇所 マルコによる福音書2章18-22節
まただれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。 マルコによる福音書2章22節
1.断食とは何か
レビ記16:31に年1回の公的な断食の規定があります。しかしきまりを厳しく守るパリサイ派の人たちは、週に2度の断食をしていたようです。そしてイエスさまに対して「どうしてあなたの弟子たちは断食しないのですか」と問いただしました。ここでイエスさまは、断食の本質を示されます。それは自分の弱さを認め、神さまの前に心砕かれること。そして神さまの前にへりくだって祈り、愛を実行していくことでした。
2.真理を受け取る柔軟性
イエスさまはマルコ2:21のたとえを用いて、人々の信仰が向かう方向のずれを指摘されます。きまりを守る生き方ができているかということが、人々の信仰の判断基準になっていたからです。イエスさまはそうではなくて、「わたしが言うことを信じて、良い知らせ(福音)として受けとる柔軟性が必要である」ことを示されていました。
3.新しいぶどう酒は新しい皮袋に
マルコ2:22でもう一つのたとえが話されています。布のたとえは同じ生地(材料)でしたが、ここでのたとえは材料が異なり、入れる器だけでなく中身も違います。これはイエスさまが示される福音、イエスさまによる救いは新しいぶどう酒が発酵するように、私たちの想像をはるかに超えた素晴らしいものであることをたとえています。そしてそれを古くて固まった古い皮袋に押し込めようとするのではなく、新しい皮袋に入れるように諭されています。イエスさまよる救いは、発酵する新しいぶどう酒のように私たちの中で神の力として発酵し続け、私たちを全く新しい人として造り変える力があるからです。