祈りがこたえられる信仰
聖書箇所:マルコによる福音書7章24-30節
すると女は答えて言った、「主よ、お言葉どおりです。でも、食卓の下にいる小犬も、子供たちのパンくずは、いただきます」。 マルコによる福音書7章28節
1.スロ・フェニキヤの女性
イエスさまは、ツロ(ローマの属州シリヤ)に行かれます。反発してくるパリサイ人や願いばかりを要求してくる群衆から一旦退かれました。彼らはまだ福音を受け入れられる状況ではありませんでした。しかし神さまから遠いはずの異邦人の地で、イエスさまはすでに福音を受け入れることのできる信仰の民を見ることになります。それがスロ・フェニキヤの女性でした。
2.小犬だと認めた女性
イエスさまのたとえで「子供」はユダヤ人のこと、そして「小犬」は、この女性を含む異邦人でした。イエスさまは「子供のものを、小犬にやるのは良くない」と女性の求めを拒否されました。しかし彼女は、自分を小犬だと認め、「子供たちが落としたパンくずをいただけたらそれで十分です」と答えます。そんな彼女に神さまのあわれみが注がれて、彼女の願い通り娘から悪霊が追い出されました。
3.信仰を引き出された女性
この女性は、冷たく突き放したかのようなイエスさまのお言葉に反発せずに、それなら小犬としてパンくずをいただけるとの信仰に導かれました。彼女はただ神さまのあわれみにすがるしかない者であることを自覚し、イエスさまの導きを素直に受け入れました。この女性のようにイエスさまは私たちをあらゆる機会を通して導き続けてくださっています。導きが必ずしも自分の思い通りではなかったとしても、素直に従うことで祈りがこたえられる信仰に立たせていただけます。それは神さまのお心にそった祈りのできる信仰者の姿です。