恵みを拠り所として
聖書箇所 マルコによる福音書10章17-22節
あなたに足りないことが一つある。帰って、持っているものをみな売り払って、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。 マルコによる福音書10章21節
1.疑問を持った青年
イエスさまにひとりの人が走り寄って質問をします。彼は役人をしている青年でした。そして資産家でもありました。また律法に基づいた決まりを守る熱心なユダヤ教徒でした。それでも永遠の命を受けて、神の国に入る確信はありませんでした。青年は、イエスさまを律法学者よりも権威ある先生と見込んで教えを求めました。
2.導きを悟れない青年
青年は努力の報酬として永遠の命がいただけると思っていました。そんな青年にイエスさまは十戒の戒めを示されます。青年が律法の前に自分の無力さ、罪深さを知って砕かれるように導かれたのです。そして「永遠の命は報酬ではなく、相応しくない者に与えられる恵みだ」と教えられました。しかし青年は恵みに目を向けられず、「それらは小さい時から守っています」と答えました。
3.資産を手放せない青年
青年の信仰の土台は、資産家としての物質的なゆとりでした。イエスさまは、信仰の土台は神さまの恵みであると教えるために「財産を手放してわたしに従いなさい」と言われたのでした。財産が悪だとしているのではありません。財産などの世的なものを信仰の拠り所にすると、神さまの恵みを土台にした信仰に立てないということなのです。青年は財産を最優先する心から離れられずに、イエスさまの前から立ち去りました。私たちはどうでしょうか。神さまの恵みによって救いをいただいたのに、いつの間にか世的なものを拠り所とした信仰になっていないか顧みる必要を教えられています。
2024年11月3日 週報より